溶射技術は北九州・名古屋・大分・姫路の富士岐工産の溶射技術解説:ワイヤー溶射(肉盛・防食)

解説・用語集

ワイヤー溶射(肉盛)


特性


被溶射体は低温(200℃以下)で加工され、歪・及び材質の変化は生じません。
皮膜は層状で気孔を有し、大気中のO2・N2等と反応し、一部は酸化物、窒化物と成り、油溜りとして耐焼付効果、硬度上昇による耐摩耗性の向上等に役立ちます。


≪溶射材料≫


種類 JIS記号 組成 参考 硬さ 相当銘柄
MCS 1 0.1~0.25%C炭素鋼 切削容易、軸類、鋳物の巣埋め Rb85~90 スプラスチール#10
MCS 2 0.25~0.65%C炭素鋼 切削容易、軸類、複合溶射下地内面 Rb90~95 スプラスチール#25
MCS 3 0.65~0.95%C炭素鋼 切削可能、軸類、内面、表面硬化 Rc35~40 スプラスチール#80
MCS 4 0.95%C以上炭素鋼 切削可能であるが研削が望ましい、表面硬化 Rc40~45 スプラスチール#100
MLS 1 1.5%Cr,4%Ni,
1~3%Mo低合金鋼
切削可能、粒子間結合が強い
厚い溶射可
Rc20~25 スプラスチールLS
MLS 2 0.9%C,1.8%Mn,
2.0%Cr低合金鋼
切削可能であるが研削が望ましい  
MLS 3 1.0%C,1.5%Cr低合金鋼 粒子間結合が強い  
ステンレス鋼 MSUS 1 13%Cr高炭素ステンレス鋼 切削可能であるが研削が望ましい。粒子間結合特に強い。全面的な衝撃にも耐える。 Rc35~40 メテコロイ#2
MSUS 2 18%Cr,8%Niステンレス鋼 切削容易、収縮大、厚盛および内面には要注意 Rb80~90 メテコロイ#1
MSUS 3 8.5%Mn,4~6%Niを含む18%Cr低炭素ステンレス鋼 収縮小、耐食性、耐摩耗性 Rb80~90 メテコロイ#5
MSUS 4 18%Cr,12%Ni,
Moステンレス鋼
耐食性 Rb80~85 メテコロイ#4
ニクロム MNCr 60%Ni,15%Crのニクロム合金 耐熱性、耐食性 Rb50~55 メテコロイ#33
特殊アルミニウム青銅 9%Al,1%Fe,90%Cu 仕上良好、耐摩耗性、耐食性 Rb80~85 スプラブロンズAA
ホワイトメタル 7.5%Sb,3.5%Cu,
0.25%Pb,89%Sn
軸受 Rb55~60 スプラバビットA
モリブデン 99.95%Mo 耐摩耗性、鋼に自己結合 Rc35~40 スプラボンド

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ワイヤー溶射(防食)


特性


ワイヤー溶射の中で亜鉛・アルミニウム合金による防錆・防食を目的とする溶射をメタリコンと称しております。メタリコンは被溶射体をほとんど加熱しないので、寸法上のくるいを生じることなく、希望の膜厚を得ることができます。
又、溶融メッキのように槽の制限を受けないため、どんな大型素材にも加工できます。また現場においても加工でき、更に溶射された皮膜上の塗装の密着性が良いなど多くの特徴を有しています。


≪亜鉛≫ 表、種類、記号及び最小皮膜厚さ (JIS H8300)


種類 記号 最小皮膜厚μm 参考
ISO対応記号 使用方法
亜鉛溶射 40 ZS40 40 Zn 40 封孔処理して塗装用下地として使用する。
亜鉛溶射 80 ZS80 80 Zn 80 溶射のまま使用する。溶射後封孔処理した状態で使用するか、又は塗装用下地として使用する。
亜鉛溶射 120 ZS120 120 Zn 120
亜鉛溶射160 ZS160 160 Zn160
亜鉛溶射200 ZS200 200 Zn 200
亜鉛溶射300 ZS300 300

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≪アルミニウム≫表 種類、記号及び最小皮膜厚さ (JIS H8301)


種類 記号 最小皮膜厚μm 参考
ISO対応記号 使用方法
アルミニウム 80 AS 80 80 Al 80 封孔処理して塗装用下地として使用する。
アルミニウム 120 AS120 120 Al 120 溶射のまま使用する。溶射後封孔処理した状態で使用するか、又は塗装用下地として使用する。
アルミニウム 160 AS160 160 Al 160
アルミニウム 200 AS200 200 Al 200
アルミニウム 300 AS300 300 Al 300
アルミニウム 400 AS400 400

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≪屋外使用環境の種類と最初に補修を必要とする年数≫


屋外使用環境 最初の補修を必要
とするまでの年数
溶射皮膜の種類
封孔しないAl溶射 封孔しないZn溶射 封孔 した
Al溶射
封孔した
Zn溶射
Al溶射と塗料 Zn溶射と塗料 封孔したAl溶射と塗料 封孔したZn溶射と塗料
汚染されてない内陸部の大気に屋上で使用される皮膜 非常に長い
(20年以上)
150
(AS160)
150
(ZS160)
100
(AS120)
150
(ZS160)
30-100      
長い
(10~20年)
100
(AS120)
100
(ZS120)
  100
(ZS120)
30-100 30-100    
汚染された内陸部の大気に屋上で使用される皮膜 非常に長い
(20年以上)
150
(AS160)
250
(ZS300)
150
(AS160)
150
(ZS160)
    60-100 60-100
長い
(10~20年)
100
(AS120)
150
(ZS160)
100
(AS120)
100
(ZS120)
       
中程度
(5~10年)
  100
(ZS120)
           
汚染されていない海岸の屋上で使用される皮膜 非常に長い
(20年以上)
150
(AS160)
250
(ZS300)
150
(AS160)
150
(ZS160)
       
長い
(10~20年)
  150
(ZS160)
100
(AS120)
100
(ZS120)
    30-100 30-100
中程度
(5~10年)
  100
(ZS120)
           
汚染された海岸の屋上で使用される皮膜 非常に長い
(20年以上)
250
(AS300)
350 150
(AS160)
250
(ZS300)
       
長い
(10~20年)
150
(AS160)
250
(ZS300)
100
(AS120)
150
(ZS160)
    60-100 60-100
中程度
(5~10年)
  150
(ZS160)
  100
(ZS120)
       
普通に乾燥している所(構造物)で内部に使用する皮膜 非常に長い
(20年以上)
100
(AS120)
100
(ZS120)
           
長い
(10~20年)
        30-100 30-100    
構造物の内部で湿気の多い所で用いる皮膜 非常に長い
(20年以上)
150
(AS160)
150
(ZS160)
100
(AS120)
100
(ZS120)
    30-100 30-100
長い
(10~20年)
100
(AS120)
100
(ZS120)
           
淡水に用いる皮膜 非常に長い
(20年以上)
150
(AS160)
150
(ZS160)
           
長い
(10~20年)
    100
(AS120)
150
(ZS160)
    30-100 30-100
海水飛散地帯又は、塩がよく掛かる所に用いる皮膜 非常に長い
(20年以上)
    150
(AS160)
250
(ZS300)
       
長い
(10~20年)
  250
(ZS300)
  175
(ZS200)
60-100 60-100    
中程度
(5~10年)
  150
(ZS160)
100
(AS120)
150
(ZS160)
       
短い
(5年以下)
  100
(ZS120)
           
海水に浸せきする所に用いる皮膜 非常に長い
(20年以上)
    150
(AS160)
250
(ZS300)
       
長い
(10~20年)
  250
(ZS300)
100
(AS120)
150
(ZS160)
60-100 60-100    

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